未来の世界を考える本 その2

  • 2017年9月18日
  • 2017年9月29日
  • 読書

『2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!』
著 : ジャック・アタリ
訳 : 林 昌宏

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著者のジャック・アタリさんは、フランスの経済学者として著名な方らしい。
過去にフランスの大統領補佐官や、欧州復興開発銀行総裁などを務めている。

表紙が現フランス大統領のマクロンさんと話してる写真なのだけど、内容は2016年時点に書かれたもので、まだフランス大統領もマクロンさんじゃないし、アメリカ大統領もトランプさんではない頃ということは念頭において読んだほうがいいかも。


本の内容をまとめると、
過去から現在までの傾向、そして未来の予測について、まず良いことをばーっと書き連ねる
→次に悪いことをばーっと書き連ねる
→みんなが危機感持たないとどんどん悪い方向に行く!
→世界を救うためには利他主義をみんなで実践する必要がある!

という流れ。
良いこと悪いことの列挙は、データもたくさん示されてて、ふむふむと勉強になる。


おもしろいなと思ったのは、世界においての価値は「死に対する向き合い方」によって変わってきたのではないか、という話。

「昔は、死後の世界のために、権力者の葬儀を盛大に行い、生贄を捧げ、そこに莫大なお金を使ってきた。
だけど、十二世紀以降西洋では、人々は死とのそうした関係を、死後の世界の意義ではなく、希少な財の管理において扱うようになった。時間は希少な財の中でも特に重要なもので、人々は時間を自由の探求のために使うようになった。自由になるほど、さらに時間をはじめとする希少な財を手に入れることができる。」

こういうようなことが書かれてて、なるほどなぁと思った。


今が、自由を尊重しすぎて(利己主義的で)世界が悪い方向に向かっている、というのは分からなくもない。市場の原理がそういうものかもしれない。

しかし、それで結論として「だから利他主義をみんなで実践しなければならない」となるのが、読んでいてけっこう突然な感じだった。なんかちょっと論理ステップが飛んでいる感じがしてしまう。
利他主義によって世界が悪い方向に進むのを止められるので、結局は自分の利益になる!という話なんだけど、なんか「だから、そうしよ!」と言われてそうできるものじゃなくない?

うーん、なので本の結論は、言っていることはわからなくないけどしっくり来ない、と思った。
もうちょっとここらへん論理的に詰めて書けるんじゃなかろうか。
利他主義、かぁ。