【書評】「ペナンブラ氏の24時間書店」ロビン・スローン

  • 2017年9月4日
  • 2022年7月20日
  • 小説

『ペナンブラ氏の24時間書店』
著 : ロビン・スローン
訳 : 島村 浩子

ペナンブラの24時間書店

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この話、とてもすき。
設定が現代なのに、こんなにわくわくする冒険の話が書けるんだなー。
さわりの紹介文はこちら。


失業中の青年クレイが、ふとしたきっかけから働くことになった〈ミスター・ペナンブラの二十四時間書店〉は変わった店だった。まったく繁盛していないのに店名どおり24時間営業で。梯子付きの高い高い棚には、存在しないはずの本(Google検索にもひっかからない!)がぎっしり詰まっているのだ。どうやら暗号で書かれているらしいそれらの本の解読に、クレイは友人たちの力を借りて挑むが、それは500年越しの謎を解き明かす旅の始まりだった――すべての本好きに贈る冒険と友情、その他もろもろ盛りだくさんの物語。

まずちょっと謎めいた本屋っていうのがもう好奇心をそそる。
本屋好きとしてはその設定だけでごはん3杯いける。

そこに、暗号の話が出てきて、プログラミングでそれを解こうとして、「わー!わくわくがはんぱない!わたしのための本じゃね!?」ってなった。笑

主人公は天才じゃないってのがまた良い。友達のそれぞれの個性や技術やツテをつなげて、解決策を探していくのが楽しい。
っていうか、友達がすごすぎる。特にマットは「おまえ、何者なんだよ」って思ってしまう。

Googleで総力結集して「暗号解読いくぞおらー」っていうシーンは「一体どんな解読の試し方してるんだよ」って思ったけれども、まぁお話ではこんくらいはありではなかろうか。

また、本屋の店主のペナンブラのキャラクターもとてもすき。おじいちゃんが情熱をもって夢を追いかけてるのって、すごくぐっとくる。主人公との間に少しずつ信頼や友情が芽生えていくのも、ほわっと温かい気持ちになる。

文体も読みやすいし、わくわくしてどんどん読める知的冒険小説って感じです。
すごくおすすめなので、ネタバレみたいのは書かないでおきます。

カバーの絵もタッチや色合いがとてもかわいくてすき。
これアニメ化してほしいなー。とても見たい。