つい最近、ネットワークビジネスについて数日間、本気で考えたのでまとめてみました。
なんで急にまた考えたかというと、とあるネットワークビジネスに友達から誘われたからです。
おもしろそうだったので、毎週やっているという説明会にいっしょに行ってみることに。
わたしは前々から、ビジネスが妥当で違法性がなければ、ネットワークビジネス自体にはとても関心があり、やってみたいなと思っていました。
さて、具体的にはどんなネットワークビジネスかというと、ざっくり言うとリゾート会員権を売るビジネスです。
入会費と毎月の維持管理費を払えば、旅行に会員価格で安く行ける。そして、人を勧誘すると報酬を受け取れるので、自分の下にツリー状に人が付いていき、一定以上大きくなれば、入会費と毎月の維持管理費をペイできて、黒字になっていくわけです。
自分も旅行は好きだし、聞いただけでとりあえずおもしろそうだなと思いました。頻度的には、最近は海外に全然行ってないので、国内だったら年に2回くらいは行くかなぁという感じだけど。
説明会後2、3日考えて、変なビジネスではなさそうだし、むしろおもしろそうだったので、入会してみました。
一応やめたくなったら、クーリングオフできるということは確認しつつ。
説明会で良いと思ったのは、3点。
・ビジネスの対象が「旅行」
・人の雰囲気が良い
・人を誘うやり方が、ある程度誰でもできるように工夫されている
旅行という観点が良いな、とまず思いました。
なんでかというと、よくあるネットワークビジネスは、健康食品とか化粧品とかで、わたしはそこらへんにはさっぱり興味がわかなかったので、自分も興味のあるものを対象にしているのが良いなと。
かつ、誰でも興味のある話題であることも、ビジネスとして広げていく上で、とてもメリットがありますよね。
そして、友達やそのグループの人の雰囲気も良さそうでした。みんなで助け合って、盛り上げていこうという勢いが感じられました。
勧誘のやり方もちゃんと法律に則った上で、友達関係を壊さずにやれる方法がわりと整っていて、これならビジネスとして取り組んでもいいのではと思いました。
入会して、会員用の書類等も送られてきて、安い価格の旅行のパンフレットも見られるようになりました。
ただ、この時点で、やっぱり維持管理費がなかなか負担だな、ということと、他にいろいろ作りたいサービスもあるので、ほんとにこれに取り組んでいいのか、ということを考えるべきだと思い、数日間めちゃくちゃ真剣に考えました。
そうして考えた末に気づいたのが、
「わたしも、自分の周りの人も、このネットワークビジネスの愛用者になれない」
ということ。
「愛用者」というのは、ネットワークビジネスではよく聞く言葉で、「商品やサービスが気に入っていて、人を勧誘して報酬を得るというビジネス抜きでも、お金を払ってその商品やサービスを買う人」のことです。
例えば、化粧品とか食品とかだったら、自分が気に入っていて、いつも買っている物ありますよね。だから、愛用者であり、ビジネスとして人にも勧めて報酬ももらえれば、ネットワークビジネスをやる上で理想的なわけです。
考えてみれば当たり前なんですが、ネットワークビジネスって愛用者がいないと絶対に成り立たないものです。
人が人を勧誘してツリー状に広がっていく中で、人を勧誘して報酬をもらっている人がいる。
ということは、そのお金がどこから来ているかというと、
・愛用者
・ビジネスとしてやろうと思っている人でまだ、自分が払っている額>人を勧誘して得る報酬、という状態の人
から来てますよね。
つまり、会員全員が報酬を得られるってことはもちろんなくて、喜んでお金を払ってくれる人もいるから成り立っているわけです。
で、今回のこの旅行のネットワークビジネスでいう「愛用者」はどんな人かというと、富裕層でもともとめっちゃ旅行に行っている人です。
わたしのように年に2、3回国内旅行行くかな〜、海外にも数年に1回くらいなら行くかな〜、という人では維持管理費のほうが高くつきます。どういう人なら愛用者として元が取れるかというと、1ヶ月に1、2回旅行に行って、海外も年に複数回行くわ〜、くらいの人です。
つまり、このビジネスは、富裕層の愛用者(=そもそも旅行にたくさん行くので、ふつうに毎月の維持管理費を払っている以上に、旅行に安く行けることで得になる人)がいないと成り立たないってことです。
さらに言うと、人の交友関係って経済力が近い人同士が集まりますよね。
わたしも、とりあえず生活には余裕があるけど、そんな旅行行きまくるとかの贅沢は全然できないレベルなわけで、友達もほとんど同じくらいの経済力の人が多いです。まぁ中には、ちょっと富裕層に近い人もいますが、とても少数です。
てことは、いまの自分からネットワークを広げていっても、そういう富裕層にあまりアプローチできないわけで、そうすると愛用者にはなれないけどビジネスとしてやってみたい人を勧誘するわけで、そのわたしが勧誘した人も似たような感じでビジネスとしてやってみたい人を勧誘するわけで、、、ってなる確率が高いですよね。
もちろんビジネスとして取り組もうと思う人も必要です。そういう人ががんばって広めてくれるわけですから。でも逆に、そういう人だけでも成り立たないわけです。
ビジネス目的でやっている人は、うまくいかない場合は維持管理費が負担でやめちゃうこともありうる、そうなるとその人を勧誘した人もツリーの下の人が抜けちゃって、また自分の維持管理費の負担が多くなって、、、となって連鎖的にやめちゃうことも考えられます。
なので、このビジネスは、自分が富裕層で旅行も行くし、愛用者になれるなら絶対やるべきだけど、現状のわたしでは発展の見込みが薄いかなと思いました。
そんなわけで、今回はクーリングオフ手続きをとって退会しました。
しかし、深く考えたことで、とてもためになって新しい発見があって良かったです。
一度入会してみないと、詳しい旅行の価格まではわからなかったし、それも考慮して結論が出せたし。
うーん、自分が愛用者になれるネットワークビジネスはないものかなぁ。