【書評】「宇宙創成」サイモン・シン:天文学者はビッグバン理論にいかにして辿り着いたか

こんにちはー。くまぽろです。

えー、前回の記事が2020年の8冊目なのに、感想書いてない本もろもろをすっ飛ばして直近で読んだ本に行っちゃいます。
なにせとてもおもしろかったもので。

というわけで、2020年の20冊目(たぶん)。
宇宙創成」の概要と感想です!

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宇宙創成

宇宙創成(上)(新潮文庫)

宇宙創成(下) (新潮文庫)

著:サイモン・シン
翻訳:青木 薫(あおき かおる)

★★★★★

フェルマーの最終定理」や「暗号解読」でも有名なサイエンスライター、サイモン・シンによる宇宙論の本
前作、前々作と同様に、ふつうの人が理解できるように、数式はほぼ出さず、例えや図を多用して書かれていて、非常にイメージしやすい

  • 天動説 → 地動説
  • ニュートンの重力理論 → アインシュタインの一般相対性理論
  • 銀河は1つだけ? → 銀河は多数ある
  • 宇宙は永遠 → 宇宙はあるときビッグバンにより生まれた

という宇宙をめぐる数々のパラダイムシフトがいかにして起きたのかが、科学者たちの人間ドラマを通して描かれる。

概要

宇宙はいつ、どのように始まったのか?
人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。
ビッグバン・モデル。
もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた――。

有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。『ビッグバン宇宙論』改題。

Amazonより引用

感想

ひじょ〜〜〜〜〜におもしろかった!

いつもの星5段階評価の枠組みをぶち壊して、星10つけたいくらいです。
本棚の奥底にしまわれてたのを最近見つけたんだけど、なんで読んでなかったのか不思議。

内容はざっくりは上記のとおりで、詳しいことはぜひとも実際読んでほしいです。

宇宙について知ることができる、それ自体ももちろんめちゃくちゃおもしろい。
だけど、なんと言ってもそれ以上に、科学者たちの人間ドラマが良いんですよ〜。

どうやって一歩一歩科学が新しい事実を突き止め、古い間違った考えを捨てて進んできたのか、その細部がおもしろすぎる。

本書には多くの科学者が登場しますが、その一人一人がどんな生い立ちだったかや、どんな考えを持っていたか、どんな苦労をしてどんな観測をしたか、さらには自分が否定する主張に対して吐いたなかなかの暴言(笑)まで、ありありと描かれます。

そして、彼らが積み上げた1つ1つの発見が、宇宙はどうなっているのかという壮大なパズルに1つずつはまっていって、時代を経るごとに、より大きな絵が見られるようになっていくんです。
「これにわくわくしないで、何にわくわくするの!?」って感じです、ほんとに。

わたしはもともと天文学や宇宙に興味があって物理学科に進んだ人なので(しかし、まじで大学の数学がわからなくて挫折した)、宇宙へのときめきを思い出させてくれて、読んでいる間ほんとに楽しかった。
これを機に、他の本とか動画とか、一般向けの宇宙や科学の話にもっと触れてみたいと思います。
 
 
ちなみに、同じくサイモン・シン著の「フェルマーの最終定理」と「暗号解読」も死ぬほどおもしろいので、まだ読んでない人はぜひ。

サイモン・シンは素粒子物理学を学んだ後、テレビ局でプロデューサーしたり、サイエンスジャーナリストとして活動したりされている方です。
科学を一般向けにわかりやすくおもしろく書く天才だと思います。

その他にも「代替医療のトリック」と「数学者たちの楽園ー「ザ・シンプソンズ」を作った天才たちー」っていう本が出てるみたいです。読まねば!

どの本も翻訳者さんは青木薫さんという方で、サイエンス系の本を専門に翻訳されてる女性です。京大で理論物理をされてた方らしい。いつも素晴らしい翻訳をありがとうござりまする。
 
 
いや〜、「宇宙創成」もぐんぐん引き込まれてしまって、電車で読んでると危険でした。気がついたら、知らない駅にいました。笑

今年ももうあとちょっとですね〜。30冊は無理そうだけど、もう数冊読みたいなと思います。
以上!