【書評】『歴史教科書が教えてくれない日本建国の謎』三橋貴明:神話と現代の神社がつながる楽しさ

こんにちはー。くまぽろです。

今回紹介する本は、ゆるっと読める日本の神話のお話です。
日本各地を旅行する前にこのお話を知れば、もっと旅が楽しくなりますよ♪

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「歴史教科書が教えてくれない日本建国の謎」三橋貴明

歴史教科書が教えてくれない日本建国の謎
著:三橋 貴明(みつはし たかあき)

★★★★☆

「12、13才くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる」
という言葉を知っていますか?

これは20世紀を代表する歴史学者であるアーノルド・J・トインビーの言葉です。

現代の日本では、神話のことを「どうせおとぎ話でしょ」と思っていたり、何かを評して「それは神話にすぎない」と否定的な言葉として使ったりするイメージがあるんじゃないでしょうか?

でも世界の国々では神話をちゃんと教わり、それが自分の国を好きになることや、自分の民族に誇りを持つことにつながっています。
トインビーの言葉は、今の日本の政治のぐだぐださや国民意識を、まさに言い当てているのではないでしょうか。

実は日本は、神話が今も生きている、とても不思議でおもしろい国です。
そんな神話をとてもゆるーく読めるこの本、入門本としてすごくおすすめです!

会話形式でとても読みやすく、ボリュームも少なめなので、1日でも読めちゃうと思います。

読むと、神社に行きたくなる!
その神社の謂れを知りたくなる!
日本の神話を楽しく学んでみませんか♪

概要

内容のざっくり概要はこんな感じです。

  • 序章「世界最古の国〜二千年以上の歴史を持つ世界唯一の国
  • ・日本は、イエス・キリスト誕生以前から存在した世界に一つだけの国
     

  • 第一章「国産み・神産み〜日本創成の物語
  • ・イザナギ、イザナミの国産み、神産み、そして黄泉下り
    ・稲作は、中国や朝鮮からの渡来人がもたらしたものではない
    ・アマテラス、ツクヨミ、スサノオの誕生
    ・アマテラスの天岩戸の伝説と三種の神器
    ・スサノオ、ヤマタノオロチを退治す
    ・天孫降臨〜アマテラスの孫ニニギノミコト、高千穂に降臨す
     

  • 第二章「建国の礎〜皇統へとつながる物語
  • ・神話に登場する神様は、日本人の遠い先祖
    ・天皇の祖先の存在を思い込みだけで否定する歴史学会
    ・日本建国につながる神武東征の道のり
    ・昔のダイナミックな地形変動と、神武東征の記述はぴたりと重なる
    ・神話に出てくる神代三剣は今も実際に祀られている
    ・イワレビコ(のちの神武天皇)最大の宿敵ナガスネヒコとの戦い
    ・イワレビコ、初代天皇として即位す

感想

読むと、とっても旅をしたくなります。

いろいろな神話のエピソードの紹介だけでなく、それにまつわる神社や場所の住所が紹介されているのが、この本の一番おもしろいところです。
住所を聞くと、急に現実の話に聞こえますよね。笑

でも実際にお話が言い伝えられ、書き残され、それをお祀りした場所がある。
そういった神社がこんなにたくさんあるのを聞くと、ほんとにわくわくして行ってみたくなります。

私が一番気になるのは、ウガヤフキアエズ(初代・神武天皇のお父さん)が生まれた場所を祀った、断崖絶壁の岩窟に本殿があるという鵜戸神社(宮崎県)。
とても神秘的な場所だそうです。いつか行きたいなぁ。

神話のエピソードも思わずツッコミをいれたくなるようなちょっと笑える話だったり、神様なのにすごいしょーもないことしたり、それでいてやっぱりここ一番のときはとても勇気があって凛々しかったりして、お話として面白いです。
なんだか日本の神様って人間らしくて可愛いなぁ、と思ってしまいます。

そういえば、日本人はなかなか小さいころにこういったお話を教えてもらう機会がないのに、逆にアメリカの教科書には、日本の国産み神話イザナギ・イザナミの話が載っているそうですよ。
(SNSか何かで実際の教科書の写真も見ました)

日本の子どもに自国の神話や歴史をちゃんと知ってもらって、日本を好きになってもらう。
その上で外国の文化も尊重して交流できる。
そういった日本、そういった教育にしていきたいですよね。

そのためにもまずはこういった取っ付きやすいところから、大人も子供も日本を好きになれるお話を広めていきたいなと思いました。

ちなみに、この本は古事記や日本書紀をもとに書かれていますが、さらに古い歴史書(ホツマツタエなど)では話が違う?こともあるようです。
私はまだあまり詳しく知りませんが、そちらも気になります。
知れば知るほど知りたいことが増えるんですよね。笑

ではでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
以上!