【書評】「体育館の殺人」青崎 有吾:読者への挑戦形式のミステリー小説

こんにちはー。くまぽろです。

2019年に読んだままで、まだブログに書いてなかった本も、一応さくさく紹介していこうと思います。

今回は「体育館の殺人」。
学校の体育館で起きた殺人に、アニメオタクの探偵が挑む、軽快なミステリー小説。

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体育館の殺人

体育館の殺人 (創元推理文庫)

著:青崎 有吾(あおさき ゆうご)

★★★★★

作者から読者に挑戦状が叩きつけられる形式のミステリー小説。

すごくおもしろかったです!
作者さんは、「平成のエラリー・クイーン」と呼ばれているらしい。この作品がデビュー作です。

第22回鮎川哲也賞を受賞しています。
 
 
LINEノベルで、1日3話ずつ無料で読めます。
わたしはLINEノベルで読んだんですが、kindle unlimitedでも読み放題対象になっていました。


 
 
ミステリー小説はたいがいそうですが、後から前の部分を振り返るときに、LINEノベルだとどうしても不便です。

1日に3話アンロックできて、アンロックから72時間以内は読めるようになっていて、時間が過ぎるとアンロックした部分はまたロックされます。
もちろんまた日付をまたげば、同じ話をもう一度アンロックすることは可能なんですが、一気に前の部分を振り返りたい場合は、課金しないとできません。

なので、kindle unlimitedに入られてる方は、そちらで読むのがおすすめです。
 
 

あらすじ

風ヶ丘高校の旧体育館で、放送部部長の少年が何者かに刺殺された。
放課直後で激しい雨が降り、現場は密室状態だった!?
早めに授業が終わり現場体育館にいた唯一の人物、女子卓球部の部長の犯行だと、警察は決めてかかるが……。

死体発見現場にいあわせた卓球部員・柚乃(ゆの)は、嫌疑をかけられた部長のために、学内随一の天才と呼ばれている裏染天馬(うらぞめ てんま)に真相の解明を頼んだ。
内緒で校内に暮らしているという、アニメオタクの駄目人間に――。
しかしなぜ彼は校内に住んでいるのだろう?

“平成のエラリー・クイーン”が単行本版より大幅改稿で読者に挑戦!

Amazon「体育館の殺人 (創元推理文庫)」ページより引用

感想(ネタバレなし)

読者に挑戦形式になっている作品を読んだの、初めてかもしれません。

たしか4章までが、事件発生〜捜査&推理している段階の話で、その最後に、

「ここまでで、裏染天馬(=探偵役のキャラクター)が結論を導くに至った、すべての情報や条件が出揃っています。
あなたは解けましたか?」

という感じで、挑戦状がばばーんと叩きつけられます。

いやー、ものすごくわくわくしました。
そこまで言われちゃ、5章の解決編を読む前に解くしかない!

ガチでもう一度すべて読み直して、気になった点や容疑者のアリバイなどをノートに書き出すまでしました。笑
内容は言いませんが、推理の大筋は合っていたので満足です!
 
 
特に、論理的に緻密に展開していく推理がすごかったです。
「大筋は合ってた」と言いましたが、解決編を読んだら、「あ〜なるほど、そこまで考えて、他の可能性を潰せるってことね」とか感心しきりでした。

まぁ、そもそも学校で事件を起こしたりだとか、現実的に考えると、犯人の計画甘すぎ問題はありますが、そこは置いとくことにします。
 
 
キャラの名前からも感じられると思いますが、作者さんはもともとライトノベルを書きたかった方らしく、この作品でもそんな雰囲気を感じますね。

もしかすると、アニメや声優さんにめっちゃ詳しい人は、探偵役の裏染くんのアニメネタにもニヤッとできたりするのかな。
 
 

おわりに

裏染くんが探偵役のシリーズとして、「図書館の殺人」「水族館の殺人」「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」があるみたいです。
これも、そのうち読みたいなぁ。

以上!