『アントレプレナーの教科書』
著 : スティーブン・G・ブランク
翻訳 : 堤孝志
翻訳 : 渡邊哲
まだ読んだことがなかったので読んでみました。
スタートアップに関わり始めた当初から、リーンスタートアップの手法を教わってきたけれど、「顧客開発」という考え方とその具体的なステップはとても参考になりました。
すごく簡単に言うと、
・「こういうものを作って売ろう」と思ったら、製品を作りながらそれを欲しがる顧客を見つけましょう。こういうものが売れると思ったのには、何か現状への不満などの仮説があるはず。それを本物の顧客と話して、実際に確かめましょう。
・顧客に合わせて製品を変えるのではなく、あくまで最初に製品のコンセプトがあるべき。
めっちゃ探したけど、どうしても訴求できる顧客がいないとわかった場合にのみ、作る製品を変えていく。
・広告や営業等にお金を湯水のように使ってしまう前に、きちんと売れるものを作っていることを確認しましょう。また、再現可能な売り方(営業ロードマップと呼んでいる)を見つけて実証しましょう。
・自分の製品がどの市場タイプに属しているかで、顧客開発の各フェーズでの効果的なやりかたが異なるので、市場タイプをよく考えましょう。
かいつまんでまとめると、こんな感じです。
読んでいて一番気になったのは、何か製品やサービスを形にしてすぐ売る、という形態向けに書いてあること。
顧客実証のフェーズでは「実際の顧客に売れる」ということを検証し、その売り方を再現できるものにしていきます。
現在のWebサービス、スマホアプリなどでよくあるフリーミアムモデルにおいては、ある程度ユーザが増えないと課金モデルが成り立たない等、すぐに「売れるかどうか」を実証できない(「サービスが利用されるか」ということは実証できると思うけど)ケースでは、マネタイズの検証をどうすべきなのかは、もっと深く考えてみたいです。
また、本書では、顧客開発の各フェーズにおいて、そこで失敗したスタートアップの例がいくつも出てきます。
資金を大きく調達できるシリコンバレー(しかもドットコムバブル時代)ならではの失敗が多く、日本ではそもそもこんな失敗のしかたができるスタートアップはかなり少ないな、と思いました(笑)。
最初の出版年が2003年というのもかなり衝撃ですね。
もう14年も前・・・。この本が出たときは本当に革新的だったんだろうな・・・。
今読んでもとても参考になっておもしろいというのも、すごいことですよね。
自分のやりたいことにも照らし合わせて、あれこれ考えてみたいと思います。
ではでは、また〜。