【書評】「ぼくのメジャースプーン」辻村深月:悪意に見合う罰とは何か(ネタバレなし

こんにちはー。くまぽろです。

辻村深月ワールドのすごろくをどんどん読んでいってます。
前に読んだのは、『子どもたちは夜と遊ぶ』。

今回は、『ぼくのメジャースプーン』!

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「ぼくのメジャースプーン」辻村深月

ぼくのメジャースプーン
著:辻村 深月(つじむら みづき)

★★★★☆

星5にするか、めちゃめちゃ迷います!
4.5をつけたい…!笑

これもミステリーというんでしょうか。

事件は起こるのだけれど、犯人はわかっている。
なので、犯人をつきとめる系の話ではありません。

ちょっと不思議な力を持った主人公が、犯人に対して「どう罪をつぐなわせるか」というお話。

あらすじ

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―――。

ある日、学校で起きた陰惨な事件。
ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。

彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。
チャンスは本当に一度だけ。
これはぼくの闘いだ。

–本書の裏表紙より引用

感想(ネタバレなし)

「ぼくは、ふみちゃんに、いつも堂々としてて欲しいんだ。そんな友達、ぼくにはふみちゃんしかいないよ。ぼくはふみちゃんと仲がいいことが自慢なんだ」

友達だけど、ちょっと憧れだから。

とある事件をきっかけに心を閉ざしてしまったふみちゃんを想う、主人公の純粋な気持ちがまっすぐで、だけど壊れそうで、読んでいて切なくなる。

不思議な力の使い方を教えてくれる先生とのやりとりが哲学問答のようで、主人公といっしょに考えさせられておもしろい。

犯人に対してどんな罰がふさわしいのか。
どうしようもない、悪意に満ちた人間に対して、どう立ち向かうべきなのか。

 
 
主人公の「ぼく」(そういえば名前が出てこない)が出す決断、そして何よりその決断に至った理由が涙なしでは読めない。
ごまかさずに、こんなにしっかり自分の心を見つめるなんて、なかなかできることじゃない。

そしてやはり最後のほうで、まさかの事実がわかり、
「え?え?え?
あ………!
そっか、たしかに…!」
ってなる楽しみもありました。これぞ辻村深月。大満足です。
 


ついこの前、『子どもたちは夜と遊ぶ』を読んだばかりだったので、気になっていた部分がつながって解消されてスッキリしました!
登場人物がかなり重なっていて、『子どもたちは…』で謎のままになっていた部分がクローズアップされるお話です。

「秋先生、そうか、そうだったのね、あんなに悔しそうにしてたのはこれも理由にあったのか」といろいろわかってきて、読んでる最中に気になりすぎて、本棚から『子どもたちは…』を取り出してきて、確認しちゃいました。笑

あと、解説を読んだら、『凍りのくじら』とも登場人物が重なっているとのこと!
『凍りのくじら』は読んだのがだいぶ前で、めちゃくちゃ好きだった!!!という記憶はあるものの、内容をほとんど覚えてないので、読み返したくなってしまいました。

時間がいくらあっても足りない…精神と時の部屋がほしい…!笑

以上!