こんにちはー。くまぽろです。
最近、前よりも良いペースでブログ書けてるぞ!
今回は、小説です。辻村深月ワールド行ってみよ〜。
「子どもたちは夜と遊ぶ」辻村深月
子どもたちは夜と遊ぶ
著:辻村 深月(つじむら みづき)
★★★★☆
上下巻あって全部で1000ページ以上あるのに、引き込まれて一気に読めちゃいます!
途中から、「これどうなっちゃうの??」って気になって気になって。
闇が深いし、切ないけれど、少し救いもあって良かったです。
あらすじ
世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。
「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーーー」。
姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。
孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。
–本書の裏表紙より引用
ちなみに、本の帯に辻村深月作品のおすすめの読む順番が書いてありました。
わたしちょうど、
『凍りのくじら』(これめっちゃ好きだった)
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『スロウハイツの神様』
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『冷たい校舎の時は止まる』
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『子どもたちは夜と遊ぶ』(イマココ!!)
と、このとおりの順番で読んでた!笑
感想(ここからネタバレあり)
ここからネタバレ気にせず、感想書いていくので、もう読んだよって方だけお進みください!!
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まず、月子と孝太くんが兄妹だったのは、しっかり確信はしてなかったけど、うっすら感じてたので、あぁやっぱりそういうことだったか、という感じ。
二人の関係の描写として、なんだかほんとに恋人なのかはっきりしないな、とずっと思ってた。
周りは二人をセットで扱うようなことが多いけど、彼氏彼女とか恋人とかそういった表現は出てこないし、すごく近しいのに肉体関係なさそうな(直接的な表現でごめん)感じがしてたし。
あと、途中で月子の苗字が実は出てきてないことに気づいた。他の人物はフルネームがちょこちょこ出てくるので、おかしいなと。
でも正直、登場人物たちこんなに仲良いのに、浅葱が二人の仲を勘違いしてるとかあり得る??とは思っちゃった。数回会ったくらいの仲でならわかるけど、これくらい仲良いのにこの勘違いはさすがに現実的にはありえないかも。
まぁ、小説ならではの見せ方ってとこかな。
最後のほうで警察の一部の人の見方として「一人で行った劇場型犯罪」という考えが出てきて、浅葱に背中の火傷があるのがわかって、二重人格なのかなと思い始めた。
ただ、ずっと孝太たちが接してたほうが、作り出した兄・藍のほうの人格だったのがわかったとき、「そうか、そうだったんだ、なるほど」と思った。
孝太たちと接してた「浅葱」は、「兄の藍が天才で、自分じゃ敵わない」って思い込んでたけど、事実は逆だったんだね。本当の浅葱は天才的な頭脳を持っているけれど情緒が欠けていて、藍はその理解者であり、人間らしい情緒を持っている子だった。
作った藍の人格が消えてしまった浅葱は、月子への気持ちを、そっくりそのままではないけど、形を変えて引き継いだのかな?
(おそらく恭司がお膳立てをして)恭司のふりをして最後に会いに来たとき、外国に行くと言って去っていったけど、もしかして医学の道を目指すのかな?月子の傷をいつか完全に消すことを目標にして。考えすぎか?
でも、恭司の言ったように、浅葱も月子を自分の歯止めになる存在にできたみたいで、それは本当に良かった。月子が生きているというだけで、自分の人生を投げずに、手を抜かずに生きていける。
ラストの事件後まで「恭司は何なの?めっちゃ怪しくない??でもめっちゃ良い人っぽくない??わからん!!」とずっと思ってた。笑
毎日必ず新聞読んだり(事件を確認するためにやってるのかと思ったり)、そんなにお金稼いだわけじゃなさそうなのにBMWに乗ってたり、「ちょっと人を殴ってくるわ」ってどういうことなの、っていう疑問の連続。笑
あと、紫乃殺害後にネットカフェで浅葱が倒れたときも、浅葱がパソコンをきちんとログアウトしてるか確認したっていう描写もすごい気になった。何かを知ってそうなんよなー、って。
iは事件後にきれいに身繕いしていて、誰かと同居してるのでは?っていう推理も、めっちゃ恭司に疑惑もたせる流れ作ってるよなぁ。まんまと乗せられてずっと疑ってたわ、ごめんね恭司。笑
あと、秋先生は何を言って男の子一人消しちゃったんだろうね。そこは想像にお任せします、って感じで触れられなかったけど、何を言ったらそんなことになるのかちょっと想像つかない。
物語のキーになってるフォトカードの写真家さんって、『凍りのくじら』の女の子かな?たしか他の作品にもチラッと出てきてたよね。
こんなとこだろうか、思ったこと全部書けたかな…?
キャラクターがしっかり立ってて、すごく良かった。
まっすぐな人も屈折してる人も、それぞれ愛おしく思える。
月子の、癖があるけどそれが魅力だって自信持ってるとこすごく好き。
ただ、自分のお母さんに対して、再婚後にあんなに遠慮しちゃって孤独を感じるっていうのは、正直ちょっとわかんないけど。
あと紫乃ちゃんみたいな子はさすがに実際いたら、「何この人。やばくない?」と思っちゃうだろうな。笑
でもいつか元の紫乃ちゃんに戻れたかもしれないしなぁ。
読んだあとにこういろいろ噛み締められるの、楽しいよねぇ。
夢中になれる物語をありがとう!
以上!