【書評】「ドミノ」恩田陸

  • 2017年4月5日
  • 2022年7月20日
  • 小説

『ドミノ』
著 : 恩田陸

ドミノ

わりとビジネス書ばかり読んでいたので、ちょっと小説。
恩田陸さんはとても好きな作家さん。今回のもとてもおもしろかった!

ドミノは、登場人物がとてもたくさん。
保険契約の売上を今月締めに間に合わせるために奮闘する保険会社の社員、ミステリーマニアの大学生、映画監督、痴話喧嘩してるカップルとそれに巻き込まれた人、俳句仲間のオフ会に参加するために田舎から東京に初めて来たおじいちゃん、子役のオーディションを受ける女の子、何か計画を目論んでいる過激派のメンバー、などなど・・・

みんながそれぞれの目的のために、東京駅付近にいて、それぞれのシーンが短い章ごとに描かれて、だんだん交錯していく。まさにドミノって感じ。

オーディションを受ける女の子2人(小学生くらい)とそのお母さんの話が、すごく印象的だった。
子供は親が思ってるより、よくわかってるんだよね・・・。
女の子たちの気持ちが浮き沈みしながら成長していくのが、めっちゃぐっときた。

恩田陸さんの作品って、ちょっと不気味な感じ(圧倒的に怖いわけじゃなくて、じわじわくる薄気味悪さみたいなの。そこがいいんだけど)のがけっこうあるけど、これはかなりカラッとしてるほう。読んでて気持ちが良い感じ。

まだまだ読んだことない作品がいっぱいあるな〜。直木賞とったのも読んでないし!制覇していかねば!

(そういえば、読んでて後半はもうすっかり忘れてたけど、読み終わってちょっと経ってから思い出した。
飛んでった傘はどうなったんだろ?)