【書評】「2050年の世界〜英『エコノミスト』誌は予測する」

『2050年の世界 ― 英『エコノミスト』誌は予測する』
著 : 英『エコノミスト』編集部
訳 : 東江一紀、峯村利哉
解説 : 船橋洋一

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未来の世界についての本、3冊目。

シンクタンク機能をもったイギリスのエコノミスト誌が2050年の世界を予測する、という内容です。
章が20に分かれていて、各エディターさんが、それぞれの詳しい分野について、過去の傾向の説明と未来の予測をしています。

目次

目次載せときます。どんな分野が取り上げられてるか、少しわかると思うので。

第一部 人間とその相互関係
第一章 人口の配当を受ける成長地域はここだ
第二章 人間と病気の未来
第三章 経済成長がもたらす女性の機会
第四章 ソーシャル・ネットワークの可能性
第五章 言語と文化の未来

第二部 環境、信仰、政府
第六章 宗教はゆっくりと後退する
第七章 地球は本当に温暖化するか
第八章 弱者が強者となる戦争の未来
第九章 おぼつかない自由の足取り
第十章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか

第三部 経済とビジネス
第十一章 新興市場の時代
第十二章 グローバリゼーションとアジアの世紀
第十三章 貧富の格差は収斂していく
第十四章 現実となるシュンペーターの理論
第十五章 バブルと景気循環のサイクル

第四部 知識と科学
第十六章 次なる科学
第十七章 苦難を越え宇宙に進路を
第十八章 情報技術はどこまで進歩するか
第十九章 距離は死に、位置が重要になる
第二十章 予言はなぜ当たらないのか

感想

おもしろい!分野ごとに詳しく書かれているので、読み応えがあります。
過去の傾向の分析についても、わたしにとっては「へ〜そうなんだ〜」という新たな発見がたくさんあり、とても勉強になりました。

各章にまとめがついてるのも要点がぱっとわかるようになっていて、とても良い。

特にテクノロジーの話はほんとにおもしろいよねー。わくわくしちゃいます。
拡張現実の先の話として、すごく気になる内容があったので抜粋。


研究者たちはさらにその先を行き、人間の頭に直接、脳波センサーを埋め込むことを考えている。インテルの科学者は、ユーザーが考えるだけでコンピューターを操作できるチップを開発中だ。

わたし前から「考えるだけで検索できないかなー。そしたら超便利」ってよく家でだらだらごろごろしながらつぶやいてたのだけど、「まさにこれじゃん!!」て思いました。
こういう話ほんと楽しいよね。

第十五章の景気循環の話は、わたしにとってはすっごく難しかったです。
「そういうもんなの?なんでそうなるの?」っていう疑問がたくさん出たり、ふつうに文章の意味がわからなかったりして、「うわー、経済ほんとわからないやばい」と思いました。
ここらへんは今後の課題ですな。

そして、最後の第二十章で「予言は当たらない」って話をしてるのがまたおもしろいです。
ここまでずっと予測してきたのに。笑

過去の予測の数々を分析したところ、悲観論のほうが当たってない傾向にあるみたいです。こういう「予測すること」自体についての研究もおもしろいよね。

最近こういう、世界はいまどうなってて、これからどうなっていくか、という本を数冊読んで、新聞を読むのがまた少し楽しくなりました。背景知識って大事だー。

さてさて、次は何を読もうかなー。