【書評】「脱税のススメ」大村大次郎:無知だと損をするという話

こんにちはー。くまぽろです。

今回は、税金について学ぶ本です。

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「脱税のススメ」大村大次郎

脱税のススメ
著:大村 大次郎(おおむら おおじろう)

★★★★☆

元国税調査官である著者が、脱税の手口を「これはこういうふうにバレます」と紹介する本。笑
わたしは個人事業主で、自分で確定申告をしているので、脱税というよりは節税に興味があって読みました。

法に触れる方法はだめだけれど、法律や制度がどうなっているのかを知ることはとても大事だよね、ということを改めて噛み締めました。

概要

すべての経営者、個人事業主に共通する『税金の悩み』。

その悩みに応えるべく出版され、大ヒットを収めた『脱税のススメ』から早12年。
その間、2015年には相続税の控除額が引き下げられるなど、各種税法では大小の改正が行われ、2016年度からは遂にマイナンバー制度が導入された。
今、税金を取り巻く環境は大きく様変わりしている。

そうした新しい環境に対応すべく、ここに2016年度版『脱税のススメ』を刊行!
最新の法改正はもとより、最新の脱税事件、節税対策、さらにはマイナンバー制度と税金の関係も解説!

本書を読めば、あなたの納税額は変わる!?
すべての納税者に読んで欲しい税金対策の決定版!

Amazonより引用

※2016年版なので、最近話題のインボイス制度などは出てきません。

感想

まず一応、本書の意図から。
(以下、前書きを抜粋)

言わずもがなではあるが、本書は脱税を推奨するものではない。

「脱税」という企業家の心理が如実に表れた事象を追求することで、経済とは何なのか、税金とは何なのかということを問い直す、ということを本題としている。

また、不正行為である脱税を知れば、正しい納税とはどのようなものなのか、日本の税制制度に対する理解も一層深まるものだと思っている。
ちなみに、本書では約70種類の脱税手法を紹介しているが、それらはすでに税務当局によって摘発済みであることを申し添えておく。

脱税は犯罪行為である。

脱税のススメっていう本のタイトルのくせに…ってちょっと思っちゃいましたけど。笑
まぁキャッチーなタイトルにしないと、手にとってもらう機会が減っちゃうから、ってことだろなぁ。

そういうわけで、脱税の手法を紹介しつつも、すべて「こういう調査でバレます」とか「こういう点で実現が難しいです」とか書いてある感じですね。

脱税には以下の3つの種類があります。
①収入の除外
②経費の仮装
③在庫の除外

この分類の中で、さらに詳しくいろいろな手口が紹介されています。

その手口をざっくりまとめると、不特定多数の人と現金でやりとりがある業態が一番証拠が残りづらく、足がつきづらい、つまり税務調査官が把握しづらい、ということは言えそうです。
調査官は覆面調査などもするので、それによってバレる可能性は常にあるわけだけど。
 
 
正直、脱税の方法よりも「税の不公平感」の項が一番印象的でした。

「十五三一(とうごうさんぴん)」って言葉、知ってますか?
サラリーマンは税務当局に所得を10割把握されてる、つまり完全に把握されてるけど、自営業者は5割、農家は3割、政治家に至っては1割しか把握されてない、ってことを表す言葉だそうです。

政治家は、本人ではなく政治団体が寄付金を集めて、その政治団体から政治活動費を受け取る、というお金の流れになっていて、政治団体には税金がかからず、政治家が政治団体からももらう政治活動費も非課税なんだって。まじか…と思っちゃいました。

最後のほうの、「相続のときに株価を下げる節税術」のところで、まさかのロスチャイルドが出てきたことに笑ってしまった。
タイムリーに並行してロスチャイルドの本を読んでいたもので。

「トヨタが無税だった謎」という項もおもしろかったです。
やはりロビー活動で自分たちに有利な税制や政策をねじ込む、ということは、どの国でも大企業や資本家たちによって常にやられているんだなと。
 
 
とにかく無知だと損をする、ということを噛みしめる本でした。

本でも推奨しているように、気づいたら税金が高くなってしまったので慌てて脱税に走るのではなく、日頃からアンテナを貼って、節税だったり、そもそも収益を上げる工夫だったりをしていこうと思います。

以上!