「旧約聖書」〜イスラエルの根源のお話:kindle unlimited対象

こんにちはー。くまぽろです。

世界で一番売れた本は「聖書」だって聞いたことありますか?

いつか読んでみようと思っていたその本、ついに読みました。
今回は、『旧約聖書』の内容と感想をまとめます。

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「聖書 新共同訳 旧約聖書」

聖書 新共同訳 旧約聖書
著・編集:日本聖書協会
翻訳:共同訳聖書実行委員会

言わずと知れた、ユダヤ教、キリスト教の聖書。
この旧約聖書は、神様との「古い約束」という意味の「旧約」で、イエス・キリストが出てくる新約聖書より前のお話です。

大まかな内容をまとめようかとも思ったのですが、書き始めたらものすごい量になりそうだったので断念しました。笑

創世記のアダムとエバノアの箱舟などから始まり、どこかで聞いたことのある話がたくさん出てきます。
前半が子孫代々続く物語といった形で読みやすく、後半は断片的な話が多くなり、前半と比べると少しわかりにくいです。

ざっくり言うと、以下の3つの時代の話が主です。

  • モーセの時代(出エジプト記。杖をかざすと海が割れ、イスラエルの民がエジプトを脱出する話)
  • ダビデ、ソロモンの時代(主が約束した土地を治め、周りの敵を倒し、繁栄してエルサレムに神殿を作る)
  • 荒廃の時代(主に従う者がいなくなり、別の神を崇め始めたイスラエルの民に対して主が災いを下す)

(旧約聖書では基本的に主に従う民のことを、主が「イスラエルの民」あるいは「ヤコブの民」と呼びます)

旧約聖書のまとめなどは、いくつもあると思うので、気になる方はそういったまとめを見てみるのもいいと思います!

感想

以前、『歎異抄』という仏教の浄土宗の本を読んだきっかけが、小浜逸郎さんという方のオンライン読書会講座だったんですが、その講座で新約聖書がテーマの回があり、「ついに、聖書を読むときが来たか…!」という気持ちで、最初は新約聖書に臨みました。

しかし、少し読んだものの、なんだか話が途中からな感じがして気持ち悪い。
「これはやはり旧約聖書から読まねばだめか!」と思い直して、今に至ります。

この旧約聖書、なんと読み切るのに丸3ヶ月かかりました。

その間、1冊くらいは他の本も読んだっけか…?(遠い目)
つまり、3ヶ月ほぼかかりっきりですよ!

読むの遅いにしても、ボリュームがすごすぎる。
それもそのはず、全部で3057ページでした。

kindle unlimitedで無料で読めるんですが、わたしのkindle paperwhiteではしょっちゅうフリーズしました。
読み終わった後でレビューを見たところ、やはり同じように「フリーズする」と言っておられる方もいますが、どうやらスマホやPCのkindleアプリであれば、あまりフリーズしないらしいです。
 
 
さて、内容に関して。

一番の感想としては、「人間ってダメだなぁ」ってことですかね。笑
しょーもない人のことを「ダメ人間」とか表現したりしますが、聖書を読んでいると、人間がそもそもダメな生き物なんだなぁと思ってしまいます。

最初のほうの話でも、兄が授かるはずだった祝福を騙し取る弟、同じ夫に嫁いでバチバチ妬みあう姉妹、夫を迎えることができないから自分の父を酔わせて子種を授かる娘、などなど昼ドラもびっくりの展開が満載です。

祝福を騙し取った弟はヤコブって言うんですが、結果的にこの人が主から「イスラエル」という別名を与えられて、その後の子孫は「イスラエルの民」となって今に続く名前となるわけで、冷静に考えると「それでいいの!?!?」と思ったり。
 
 
また、ダビデとソロモンの関係も、ちょっと似たような面白さがあります。
この二人の名前は聞いたことあるという方多いと思うんですが、二人ともイスラエルの王で、ダビデの息子がソロモンです。

ダビデは、主が約束してくれた土地に住んでいた他の民族を倒しまくり、イスラエルの国を盤石なものとします。彼は人生を通してほぼ主の道から逸れず、主に従って生きた稀有な人です。
その子ソロモンはダビデの後を継ぎ、エルサレムに主のための神殿を作ります。知者として名高く、世界中から知恵を求めたくさんの人が訪ねてきたという、偉大な人物です。

主に従って生きたダビデですが、一度、主の教えに背く象徴的な出来事が起こります。

ダビデにはたくさんの妻がいましたが、ある時とてもきれいな女性バト・シェバを見初め、彼女と寝ました。
しかし、彼女はダビデの臣下である兵士ウリヤの妻でした。
多大な軍功をあげたダビデですから、当然臣下の兵士達をねぎらってきたわけです。

それなのに、バト・シェバを妻としたいと思ったダビデは、戦場の中でも非常に死ぬ可能性が高い危険な場所にウリヤを配置します。
そこを指揮する将軍にも話を通して、戦場でウリヤが死ぬように仕向けたわけです。
そして実際にウリヤは死に、一人になったバト・シェバはダビデの妻に迎えられるのですが、もちろんこの行いは神の怒りを買い、バト・シェバが宿したダビデの子は死んでしまいます。

その後にバト・シェバとダビデの間にできた子が、次の王となるソロモンです。
なかなかにドロドロとした物語の末に、次世代の偉大な知者が生まれるのが何とも言えないですよね。
 
 
あとは「感覚的になじめないことが多いなぁ」と思いました。
時代が二千数百年前で、しかも異民族の歴史書なので、当然かもしれませんが。

まず、奴隷が当たり前なことに、なじめない。

奴隷制度がナチュラルすぎて、それが「悪い」という概念は全く出てこないです。
まぁこの時代としてはこれが当然だったんでしょう。

イスラエルの民が同胞のイスラエルの民を奴隷にすることは、6年で終わりにして7年目は解放しなければならない、といった記述がせいぜいあるくらいです。

また、戒律の罰則の書き方もなかなかに激しい。

出エジプト記で、モーセが主から十戒という戒律を授かるわけですが、その規定の中で
「こういう戒めを破った者は死刑。みんなで宿営の外で、彼または彼女を石で打ち殺さなければならない
という話が何箇所かで出てきます。

死刑はまだ受け入れるにしても、やり方が集団リンチみたいで怖い…。
それとも、わたしが想像しているのよりはもっと儀式的な手順があるんでしょうか。
本書での記述からだと、戒めを破った人をみんなで外まで無理やり連れ出して、石でボコボコにして殺す、というイメージをどうしても持ってしまって、戒律としてはサラッと書いてあるだけに尚更怖かったです。

そして、極め付けは他の民族に対して無慈悲なこと。ここが一番なじめない。

エジプトから脱出してきた後、主がイスラエルの民を元々いたカナンの土地に住ませる、という話になりますが、その辺りに現在住んでいる別の民族は全員殺してしまえ、と主から言われるんですよ。
この主からの言いつけをおもに実行する人物が、上記したダビデです。

つまり主は、自分が選んだイスラエルの民以外は知ったこっちゃない、ということですよね…?

これがユダヤ教が選民思想だと言われる根本であり、この根っこがあるから、西欧や中東ってずっと宗教が絡んで戦争してるんだな、としみじみ思ってしまいました。
 
 
いやぁ、大ボリュームのお話でしたが、ちゃんと読み終えることができてよかったです。
もちろん続きの新約聖書も読もうと思います(ていうか、本来はそちらを読もうとした)。

長文を読んでいただき、ありがとうございます!
以上!